奈良山友会 山行の記録

厳冬期
稲村ヶ岳
急登のラッセル

2015年2月7日(土)



< メンバー >
L.くぅる、pike、山の家、ウオンテッド、点の記、なべちゃん

< コース・コースタイム >
7:00母公堂7:20 - 7:40洞川分岐 - 8:40法力峠8:50 -  
8:55尾根道(狼尾ルート)取付9:10 - 10:00白倉山10:15 - 11:40山上辻・稲村小屋12:10 - 
12:40大日トラバース12:50 - 13:15宝剣 - 13:30稲村ヶ岳13:50 - 大日トラバース14:20 - 
14:35山上辻・稲村小屋14:40 - 尾根道(狼尾ルート) - 15:28夏道へ下る15:30 - 16:15法力峠16:20 - 
洞川分岐16:50 - 16:55母公堂


2/6(金)
稲村ヶ岳のピークを踏むためには早朝には母公堂を出発しないといけないので、
L.くぅるさん、山の家さん、点の記さんはマイカーで、ウオンテッドさん、私はpikeさんの車で奈良県某所に前夜集合しました。
そしてすぐに6テンを設置して・・。
一番乗りのpikeさん組は早速酒盛りです。

日本酒、ウイスキー、ワインとおかきで楽しく過ごしていると、くぅるさん、点の記さん、山の家さんたちが次々に到着~。
テントでしばらく談笑した後、マイカーで就寝。
pikeさん組はテントで就寝です。


2/7(土)
朝6時過ぎに某所を出発して、母公堂へと車を走らせます。
途中でスタッドレスタイヤに、チェーンを装着して洞川温泉の風情ある旅館街を通り過ぎ、母公堂に到着。



完全冬山装備にハーネス、安全環付カラビナ、スリング、細引き、くぅるLは50mのロープをザックに、まずは法力峠へと歩き始めます。
くぅるLは厳冬期稲村にはもう10回以上の経験がある超ベテランのお方です。
登り始め早々、『ここでこんなに、雪があるという事は、上はかなりの雪で、小屋にいけるかどうかも、危ういかもしれない。
しかも昨日積もった雪のようで、締まってないのでアイゼンというよりワカンだね』・・・。
前途多難をうかがわせる言葉をきいて、ちょっとテンション下がりましたが、とにかく法力峠まで進みます。 



しばらく樹林帯を歩くのですがすこしずつ陽が当たり始めて、真っ白い杉の木々に光が降り注ぎ、
それは美しくて、いつもは、単調で面白くないと思う道もそうではなくなってきます。
これぞまさしくスノーマジックですね。



法力峠で休憩したあと、まずは夏道へと歩き出します。
先行者は一人いらっしゃるようで、足跡があります。
トラバース道は一つ間違えば、そのまま滑落しそうな、不安定な状態で、恐怖を感じながら慎重に足跡をたどります。
(事実後続の方が滑落されて、自力で戻れたようですが、そこで登山を断念されたようです…稲村のピークでご一緒した方々のお話です)
そういう状況なので、当然スピードもおちるし、リスクも高くなるし・・・ここでリーダーは冬道を選択されました。

尾根通しで小屋まで進みはじめます。
登り始めて少し滑り出したところでアイゼンを装着します。



これで滑落のリスクは低くなったので精神的には随分楽になりましたが、急登のラッセルが始まります。
6人で交代しながら、トレースをつけて行きます。
しんどいですが、皆で協力しながら進んでいくことがとても楽しく思えました。
それに素晴らしいお天気で自然林の樹氷が見事です。

しばらくすると“ドアミ”という場所につきました。



どういう意味があるのか、変わった名前です。
山には結構不思議な名前の付くところがありますね。
次第に高度をあげて奥駆の山々が目に入ってくるようになってきました。
山上ヶ岳、大普賢、八経、そしてこれから行く稲村ヶ岳に大日の特徴ある姿も。

 

この日は本当にガスも一つもなく、遠くの山までしっかり見渡せました。
なんてラッキーなのでしょう!
きっと私たちの日頃の行いがいいからなのでは??と思ってしまいました(^^)



“ドアミ”の次は白倉山(1470m)に着きました。
私はこの山は来たことがなかったので、これまた嬉しい!!

冬道ルートはラッセルの辛さはあるかもしれませんが、樹氷あり展望有でいい事の方が多いかもしれません(お天気にもよりますが)。
白倉山で休憩、集合写真(稲村へはこの地点では時間的に無理かも…という思いもあっての集合写真・・・)。

 

私たち6人だけのピークは静かで暖かでもしここが最終地点ならゆっくり過ごしたいと思える場所でした。
この後も尾根通しのルートはアップダウンを繰り返しながら尾根別れの所ではpikeさんのGPSをたよりに、
大きく右に進路をとって進み続けていくうちに、見えてきました~!稲村小屋が・・。



もうお昼前です。
小屋はすっかり雪に埋もれてリーダーの予想通りの積雪量の多さでした。



もうみんなお腹がペコペコです。
昼食タイムをしばしまったりと過ごします。
風もないので、快適なお昼休みがとれました。



さてさて小屋までいけたら次は・・・稲村のピークでしょう!!
先行者一人のトレースが私たちを案内してくれます。



しばらくすると先行者であろう方が引き返してこられました。
大日のコルまでいって、戻ってこられたそうです。
夏道の危なっかしいトラバース経由で大日のコルまでノートレースの雪道をお一人で頑張られたのは凄いの一言です。
本当にお疲れ様でした。
そして有り難うございます。
一言お礼をいって進みます。 



そうして、大日岳すこし手前で先程の先行者のトレースが“大日のトラバース”方面とは違うルートについていました。
どうやら大日のトラバースを避けて進んでいたようなトレースです。
通常カニ歩きで通過する大日のトラバースはノートレースで雪も多くとても行けそうにありませんでした。
でも先行者のトレースも決して安全なところについている訳でもなく、急斜面をトラバースしなければいけない箇所は確かです。
さあ行くか?やめるか?6人中4人は行くことに。
2人はここで待機する事に決定しました。



ここで話し合ってる間にあとから来られた後続の4人が先に追い越していきました。
(後続の4人のうち2人は夏道から小屋まで来られたそうで、やはり非常にトラバースは怖かったそうです。
あとの2人は私たちのつけたトレースを追いかけてこられたそうです)



そうときまれば覚悟を決めて、柔らかくて脆い雪道の斜面をトラバースします。
ピッケルを山側に思いきり刺しながら(雪が深くて手ごたえがあまりなくて不安になります)慎重に一歩一歩進みます。
その距離50m程でしょうか・・、緩やかな下りから登りへと。
やっと安心できるところに到達できました。

そこからは大日のキレットがよく見えました。
そこから先はトレースがなかったようで先に追い越して行かれた4人がトレースを付けてくれました。
有り難うございます。

シャクナゲが生い茂ってるであろう道を腰をかがめてあるいたり、時には枝をくぐったりしていくと、
あの有名な稲村の宝剣が目の前に現れました~!!



(実は去年の夏頃私も一人で宝剣探しに行ってまして、シャクナゲ地獄と格闘の末発見したのです~!!
pikeさんも行かれてたそうで、私と違ってさらりと発見したそうです(笑))
くぅるL曰く、雪の稲村のルートでは宝剣を通過するのが普通だそうで、皆が、無雪期に宝剣探しをしてるのが面白かったようです。

目の前にどーんと見える大日岳を眺めてあの頂上には祠があったなぁ~とか、
鉄階段があったなぁ~と自分がいった事を思い出したりしながら10分ほど進むと、ついに稲村ケ岳のピークに到達しました!!

 

先行の4人の皆さん、トレースつけて頂き有り難うございます。
お互いに写真を撮り合い、最高の景色をたのしみます。



稲村ケ岳は1725mですが、きょうは雪が1m程底上げしています。
360度山々が遠くまで見渡せ、達成感と満足感と幸福感でみんないい顔しています。
残念ながら時間的にあまりゆっくりできません。
途中で待っていてくれてるお二人の所に戻りましょう、戻る時も慎重に。



柔らかい雪の下りはアイゼンを利かして歩くのが私には難しくてズルズルと滑ってしまって危なっかしい・・・。
フラットに足を置いて、アイゼンの爪を全部地面に置くように・・・ってアドバイスをうけましたが、くだりではどうもうまく出来ない。
そうしたら何だか前のめりになる様で、まだまだ勉強がたりません・・・。
とにかく慌てず慎重に進むことを頭にいれて歩きました。

待機していたお二人はツェルトを張ってコーヒーを飲みながらポカポカ陽気の中でまったりと待っていてくださってたそうです。
戻ってきた私たちの顔はゆるゆる雪の斜面トラバースの後で疲労感が漂っていたと話してくれました。(笑)

ここから又6人で下山開始です。
しっかりついた踏み跡をたどり、白倉山に戻る前で夏道まで下りて名物のマンモスの木を見て
(私は今まで気が付かなかったので今回初めてみました。本当にマンモスのようで面白いです)



母公堂に着いた頃には雨がぽつぽつと振りだしました。
私たちが下山するまで待っててくれたように・・。

最後にくぅるLはじめ、ご一緒して頂いた皆様、長時間お世話になりました。
ずっと行きたかった厳冬期の稲村が岳、無事に行けることができました。
有り難うございます。


文:なべちゃん   写真:くぅる・pike・なべちゃん