奈良山友会 山行の記録

大峰山系・吉野郡川上村
勝負塚山

20131011日(金)

<メンバー>
pike、yokko、buhiko、タンタン、ウオンテッド

<コース・コースタイム>
伊坪谷出合 8:35 → 堰堤上の登山口 8:55 → 10:48 五合目 → 10:05 尾根取り付き →
12:05 勝負塚山 (昼食) 12:50 → 13:40 尾根取り付き → 13:50 五合目 → 15:00 登山口 → 15:25 伊坪谷出合


7時、近鉄田原本駅西口で落ち合い、1時間ばかりで、川上村上多古(こうたこ)の伊坪谷出合に着いた。
上多古川に架かる赤い橋が登山道入り口の目印である。

 

「白昼、熊、毒ヘビが出ます。立入禁止 上多古地区」という、
仰々しい大きな看板があって、単独行の場合は怯みそうになるだろう。
今回の山行は総勢5人で、何するものぞという意気込みで先に進む。

突然、「あっ!」と息を吞みそうな光景が眼前に現れた。
簡易水道取水口に続く橋が、山の斜面の崩壊によって落下。足元は大きくえぐられて、水道管が剥き出しになっている。
今にも落ちてきそうな大岩を気にしながら、水道管を支える足場丸太に掴まりながら恐る恐る渡る。



堰堤近くの木に勝負塚山の取り付きを示す小さな看板がぶら下げてある。
うっかりすると見落としそうになる。始めてきた時はこの辺りをうろうろした。



道は杉の植林帯の中の急登だ。殆ど手入れされてないので、
落ち枝が散乱して歩き難いことこの上ない。やがて道は水平になるが、次なる試練が。



苔むした岩が切れ落ちていて、道が分断されている。
前回、ここで引き返した。手掛かりのない岩を注意深くトラバースした。
全員無事通過しホッとする。この先にも緊張を強いられる箇所が何度もあった。
その1箇所には、pikeさんにトラロープを仕掛けてもらった。



水平道も終わりに近いころ、後続のyokkoさんの突然の悲鳴に驚いて振り返ると、マムシが道脇にいるというのだ。
先頭を行くぼくやbuhiちゃんは知らずに傍を通り過ぎたことになる。
pikeさんが木の枝で谷に方へ投げ捨ててくれて、事なきを得た。



さて、これから先は杉の植林帯や植林、
自然林の混交林帯の急斜面をジグザグを切りながら登って行く。
足元は、風化してもろくなった岩の砕片が土砂交じりとなって、登山道を塞いで行く手を阻む。

  

傾斜がきついので、足元の土砂が崩れ落ち、谷底に流れ落ちて行く。
道は不明瞭ながら目印のテープは割合多く付いているので、
みんなで声を掛け合いながら、
また時にはpikeさんのGPSに助けられながら、一歩一歩慎重に高度を上げて行く。



やっと5合目の看板。ここからも同じような状態の急斜面が続く。
そして、尾根の取り付きに着いた。登山道は直角に折れて南西方向に向かう。


その先、地形図では等高線が比較的緩やかに表示されているが、きつく感じられた。
シャクナゲやアセビを掻き分けながら進まねばならない所もあった。

さすがにザレ場はもうなくなったが、
慎重に行く手を捜しながら行くことに変わりはない。
木の間越しに、ワンステ尾だろうか、緑濃い尾根が見える。

週間予報では、きょうは雨の確立が高く、山行中止も覚悟していたが、
それが見事に外れて、嬉しい秋日和となった。
その穏やかな日差しを、時折浴びながら山頂を目指して登って行った。
直ぐそこが頂上か思うその少し先に、勝負塚山の頂があった。

これといって特徴のない狭い山頂には3等三角点が据えられていた。
唯一開けた南西方向には、上多古川を隔てて山上ヶ岳の宿坊が間近に望まれた。



平日のこととて、他に登ってくる登山者はおらず、
われわれ5人だけのゆったりとした山頂でのランチタイムとなった。



さて帰り。想像以上に道の状態が悪いので、下山を心配したが、杞憂に終わり、



トラロープも回収し、取水口近くの崩落場所は高巻きして、無事登山口に着いた。

思い起こせば2年前。前から登ってみたいと思っていた勝負塚山。
pikeさんを誘って(誘われてというべきか)、―ノートを繰ってみて調べると、
10月20日、ここにきている。先に述べたように、
さんざん登山口取り付きを探し回った挙句、途中で引き返した。
業腹なので白屋岳に転進した。

その2年前に果たせなかった思いがやっと実った。
すんなりと登る山もそれなりにいいだろうが、風雨や道迷い、
時間切れなどで登頂を断念した山を再び、三度挑戦の上、
やっと頂上に立てた時の感激は非常に深いものがある。
この思いを叶えてくれたpikeさんに感謝したい。

下山後はいつもの中荘温泉で汗を流し、
熱くもなく温くもない湯船にゆったりと浸かりながら、
きょうの山行の始終に思いを馳せていた。

釣瓶落としの秋の日という言葉通り、すっかり暗くなった田原本駅前で車を降り、
皆と別れて改札口へと向かった。


文:ウオンテッド 写真:pike