奈良山友会 山行の記録


時が築いた天空の庭園
新穂高から雲ノ平へ


2013年9月12日(木)〜16日(日)



 

<メンバー>
L.pike なべちゃん、rinrin
 
<コース・コースタイム>
<9/12>
奈良20:00−01:30新穂高駐車場
<9/13>
新穂高駐車場 06:30−08:00 わさび平 08:30 −13:05 鏡平 13:30 − 15:30 双六小屋テン場
<9/14>
双六テン場 7:00 − 8:20 双六岳 8:45 − 10:10 三俣蓮華岳 10:25 − 11:15 三俣小屋 11:35 − 15:40雲の平テン場
<9/15>
雲の平テン場 4:30 − 8:20 三俣小屋 8:40 − 11:20 双六小屋 12:00 − 13:40 鏡平 14:05 −17:15 わさび平 17:35 − 19:00新穂高駐車場


 それは8月、pikeさんからの「雲ノ平、行かない?」っていう一通のメールから始まりました。
雲ノ平・・・? そういえば、数日前に新聞に雲ノ平の記事載ってたっけ!? 雲ノ平って聞いた事あるけどよくわからない。
何でも、北アルプス最深部にあるため、どの登山口からでも当日中にたどり着くのが困難な所らしい。
富山県折立からは小屋泊まりを経て10〜12時間?



とっても、とっても私には無理。でも、「日本最後の秘境」って呼ばれているから一度は行ってみたい。
車中泊が一回にテント泊が三回。
仕事、家の事いろいろ考えてしまう。何よりも心配なのが体力。

リーダーは、pikeさんに メンバーは、なべちゃん。
この二人は先日も大キレットを制覇した強力コンビ。
体力もスキルも二人には足元にも及ばない私は迷惑かけてしまうのではないか? 考えてしまう。
山は逃げないからいつでも行ける? イヤ行けないかもしれない。
行ける時に行こう!連れて行って貰う事にしました。


9月13日(木) 午後8時
近鉄郡山三の丸駐車場から渋滞も無く、新穂高温泉駐車場に14日(金)午前1時30分に到着。
駐車場料金だってバカになりません。この無料の駐車場は有り難い存在です。

pikeさん差し入れのワインやコンビニで仕入れたビールで乾杯しばし、仮眠です。
案の定、私は緊張で眠る事が出来ません。

9月14日(金) 午前6時30分
4日後、無事にこの駐車場に戻ってくる私たちの姿を想像しながら出発します。
新穂高温泉ゲートから「わさび平小屋」を目指してひたすら林道を歩きます。
約1時間で小屋に到着。朝食の助六を頂きました。ちょっと食べ過ぎました。お腹も一杯になり、小池新道を気分よく歩きます。



いつまでも歩いていたい道は、いつまでも続かず・・・
やがて大小さまざまな石ころだらけの道に変わってきます。
この小池新道はとっても整備されていて、案内が丁寧で道に迷う事もないみたい。
開けた道は少しずつ狭くなっていって、木々の間を登って行くすれ違いするのに道を譲ったり譲られたり・・・
道の脇に咲いている花に慰めなりながら少しずつ高度を上げて行きます。



9時30分 秩父沢に到着



川を流れる音が気持ちよく、沢山の人が休憩してます。

水分補給して、シシウドヶ原を目指して又登って行きます。
シシウドヶ原は、その名の通りシシウドが今を盛りに咲き誇ってます。
秋風に揺れてお日様の光を受けてキラキラして綺麗でした。

 


大きく鏡平への尾根を回り込むように進んでいくと、小さな湿気をいくつか抜けて、木道になる標高2,303mの鏡平に到着です。



木製のテラスから槍・穂高の主稜線を望みます。ひときわ高く槍ヶ岳がそびえ 大喰岳、中岳、南岳から大きくえぐれた大キレット。
その先には奥穂高岳が見えます。pikeさんが説明してくれました。
鏡池では、残念ながら曇っていて逆さ槍を見る事は出来ませんでした。

今夜のテン場の双六小屋を目指して出発します。
弓折岳の稜線への急登を登れば、鏡平小屋が小さく小さくなって行きます。
弓折岳の分岐から稜線を歩きました。やはり 稜線歩きは気持ちよい。
気持ちが顔に出たのがどっかのお父さんが(おや!元気になったみたいだね!)



しばらく歩いていたら、赤い屋根の双六小屋とカラフルなテントが見え隠れ、目的地が近づいてくると急に元気になる私。
この先 一滴の水分補給もしない!(ビールのため)

15時30分、双六小屋到着
pikeさんとなべちゃんがテントの設営してくれました。何も出来ずごめんなさい。
双六小屋のテラスで鷲羽岳を眺めながらビールで乾杯!
やっぱり、山のビールは最高や。



夕食は「水炊き」。豆腐にキノコに野菜 ボリューム満点 二人は日本酒で私は水で乾杯。



冷や酒を飲み干す、なべちゃん 滅茶苦茶男前や。
美味しかった!ごちそうさま。

午前3時 なべちゃんが外の様子見てる?
風が止んだから星が綺麗かな?って・・・凄いです。
私なんて自分の事も出来ないのに…彼女はいろんな事考えている。

外は落ちてくるぐらいの満点の星空、まさに「星降るテン場」天の川もくっきり、流れ星も・・・
「ねぇ〜pikeさん、こんな綺麗な星空誰と見たい?」
「君ら二人や〜」、「うちらもや」

3時20分 起床
昨日の水炊きでコラーゲンたっぷりの「おじや」をいただきます。
しっかりお代わりしました。



昨日、「雲ノ平まで行くんですか!うらやましいっす。時間ないから双六までっす。楽しんで下さい。」って声かけてくれた、
爽やかイケメン君は双六にピークかけるとかで先に出発して行きました。

私たちも双六岳から三俣蓮華そして雲ノ平へと出発です。

よく整備された登山道を登れば、雑誌で見た風景がそこに広がってました。双六岳へ真っ直ぐに伸びる登山道。
稜線には点々と生えるイワスゲ・・・。私、この景色見たかった!

 





ピークからは日本を代表する名峰の数々

「あれが槍ヶ岳」、「あっちは西穂やろ、こっちが北穂」、「山に向かって叫んでいるのが・・・ヤッホー」



さぁ…三俣蓮華へ稜線歩きの始まりです。
歩いては振り返り、歩いては振り返り、
見える景色全てに感激です。忘れないようにこの目に焼き付いておきました。





10時10分、三俣蓮華山頂





石ころだらけの道を下った所に三俣山荘
なぜか、小屋の赤い屋根を見つけるとホッとするのは私だけでしょうか?



三俣山荘から今日のテン場、雲ノ平へ
やはり・・・秘境って簡単には人を寄せ付けないね。



テン場横から「黒部源流」を目指して小さな沢沿いに下っていった所に「黒部源流標」発見
北アルプスの奥地になんだか似つかわしいような気もしなくはない石碑、「お墓みたい。」
でも私的には、私達がここにいる事に感動なんです。





ロープの張ってある沢を渡り、急登を登っているとアクシデントが・・・、
「困った事になってしまった!」「どうしょう!」焦ってはいけません。基本に戻ったらいいんです。
少しルートミスしましたが、すぐにリルート。



急登をクリアすると、なべちゃんがコーヒーを淹れてくれました。
三俣蓮華を見ながら頂いたコーヒーは、私を元気にしてくれました。

この向こうには、雲ノ平ってか?なんて思いきゃ、ハイマツの中を歩き、石ころだらけの中を歩き、
木道を歩き始めた頃 景色が少し変わってきて、日本庭園です。もうすぐ到着?
なんて淡い期待を抱きます。・・・が、そんなに甘くは無い!



やっと見えたあこがれの雲ノ平小屋とテン場が・・・
一直線に下ればそこやん!喜ぶ私に看板が・・・
「自然保護のため通禁止」

迂回ルートを30分以上歩いたと思います。
 
石ころだらけの登山道から木道になった所でpikeさんが、「前に来た時に、ここでメンバーのてくてくさんに会ってん!」
近所のイオンやコンビニで会うのと訳が違います。ここは雲ノ平です。北アルプスの最深部なんです。



・・・スイス庭園、見に行こう!



木道の突き当たり右に行けば小屋、左に行けばテン場



まずはテン場でテントの設営です。雲の平小屋で受付、ビールで乾杯。
明後日(16日)の午前6時に台風直撃のため、1日予定を前倒しして明日(15日)には山を下ります。
そのため、作らなくなったアボカドと卵のサンド用のアボカドをなべちゃんが持ってきてくれました。
凄く気が利く! 改めて感動してます。
アボカドをわさび醤油で頂いて、小屋の前で乾杯!



三人で食べるアボカドは、「大間の鮪の大トロ」より美味しいと思う。(だって、食べた事ないから)

ほろ酔い気分で木道を歩いてテン場への帰り道、大工道具を持った小屋のスタッフに会った
登山道のメンテナンスかな? 環境庁の腕章を付けた女性も植物の生態を調べていた。
このような地道な努力のおかげで雲ノ平 イヤ 日本の山は守られているんだ って改めて思った。

 

夕食のテン場はカレーやラーメンの香りが充満、子供の頃の夕方、家への帰り道を思い出した。

 


今日の夕食はスパムの焼きそば。スパムの塩味とお醤油がいい感じに絡み合って美味しい。
pikeさんとなべちゃんは、手際よく夕食を作ってくれました。
私は、なかなかここでもお手伝い出来ませんでした。

9月15日、早朝4:30
雨風の中 ヘッドランプをつけて出発です。昨日、歩いた道を歩き始める。
暗いし、ヘッドランプだけでは怖くってゆっくりゆっくりになってしまう。
こんな所で怪我は出来ない!慎重になってしまうから、後から来た人に人に道を譲って時間がかかる。



少しずつ明るくなってくると、次第に雲ノ平が遠くなる。
この景色忘れないように心のアルバムに貼り付けよう。

 


途中、上がってくる人に会った。台風来るのに!
きっと小屋で待機して台風一過の良い天気を待っているんだ
お金と時間に余裕ある人はいいなぁ!!



三俣小屋から巻道を経由して、双六小屋へ。
昨日来た道を戻っていきます。下って来たところは登り、登って来たところは下り、当たり前か。

ここで冷えた身体を温めるために、カルピスウォーターとおうどん 美味しかった!

鏡平までの帰り道、曇っていた空に晴れ間が・・・



槍ヶ岳が見えて来ました。もしかしたら、逆さ槍が見えるかもしれません。
期待を胸に下って行きます。残念ながら鏡池は風で揺れていて、逆さ槍は見る事は出来ませんでしたが、
またまた、なべちゃんがコーヒーを淹れて待っててくれました。



シシウドヶ原・秩父沢を経て下って行きます。流石に上がってくる人はいません。



小さく見えていた川が大きく見えて来ました。川の音も大きく聞こえて来ます。もうすぐ、わさび平小屋です。
林道の中を通って駐車場へ

た・だ・い・ま
無事に帰って来ました。pikeさんの愛車が待っていてくれました。

近くの温泉で汗を流し、夕食に「漬け物ステーキ定食」。ステーキってゆうか、
漬け物も入った玉子焼き? お好み焼き? を頂いて、一路 車は奈良へ
帰りの車の中は行き同様に同じ歳の三人組 子供の頃の話から学生時代の深夜ラジオ
諸先輩方の武勇伝の話、果ては半沢直樹、「バンカーってかっこいい!」、話題は尽きません。

pikeさん 雨風の中の安全運転 本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
関まで帰ってきたら、名阪が雨のため通行止め
この通行止めが翌日午後一時まで食い込む事になろうとも分からず、
ひたすら奈良への迂回ルートを探して走ります。土壌崩れで通行止めになっていたり、
すれ違う車も無く、雨風はますますひどくなるし、道には枝が散乱しているし…
このまま行っても通行止めになっているかも?川が氾濫しているかも?

テントでも三人で寝たし…ここで三人で寝る事にしよう!
関のコンビニ前で車中泊する事になりました。
50年に一度と言われる特別災害警報が初めて出たこの台風の中の車中泊は、私たちにとっても初めての経験となりました。

翌日、台風一過の秋晴れの空の下、楽しかった思い出と共に帰路についた次第です。

pikeさん、なべちゃん、
ありきたりの言葉だけど、ありがとうございます。と感謝の気持ちしかありません。

思い出が一つ又一つ、増えて行く幸せ感じてます。


文:rinrin 写真:pike