奈良山友会 山行の記録

神戸・摩耶山

2011年1月9日(日)



<メンバー>
L..こまくさ
ha-min、山の家、クー、yokko、ウオンテッド

<コース・コースタイム>
阪急王子公園駅9:00-展望台9:45(上野道)-山門10:40-摩耶大杉10:50-11:12掬星台休憩所(昼食)11:45-(山寺尾根)-
杣谷分岐13:30-阪急六甲駅14:15(解散)


 「一粒で二度おいしい」はグリコの名キャッチコピーであるが、今回は「一粒で三度おいしい」山行である。
一つ目は、当然のこと摩耶山。二つ目は解散後の灘五郷酒蔵めぐり。そして三つ目は阪神難波線乗り換えなしで奈良から直行(実は?)と。

 さて、7時過ぎに家を出て、乗換駅の西大寺駅で三宮行快速急行7:21発に乗り込む。阪神電車堂々の10両編成である。
休日の早朝とて乗客は半分程度。 きのう、ネットで時刻を検索した時は、高の原7:12(近鉄)→西大寺→鶴橋(JR)→大阪・梅田(阪急)→8:50王子公園という経路であったが、車中 で気が変わり、「よし、このまま阪神で」となった。

 難波7:55発車。この時は集合時間までまだ1時間余で余裕があったが、桜川駅で乗務員交代、尼崎で車両分割と、意外に時間がかかり、少し後悔めいた気 持ちがこみ上げてくる。今津で阪急線に乗り換えようとしたが、魚崎で特急に乗り換えるべく下車した。ここでなんとまあ、ha-minさんに出会いホッとす る。そして、御影でさらに普通に乗り換えて、岩屋下車。ここからJR灘駅前を通り、集合場所の阪急王子公園駅にはなんとか5分前に到着した。

 東改札前で全員の顔が揃い、西郷川に沿う歩道を上流に向けて歩いて行く。阪神電車の車内からは、六甲山系の芦屋より東側は雪が降っているらしく、山肌が 薄墨色にけぶって見えたが、今、摩耶山方面は明るい。道すがら山の家さんが「この軽登山靴はおニューで、1枚革。奮発して3万円弱しましてん」と。「そん なら、きょうは」、「ふで」と思わず口に出かかったことばを吞み込み、「履き下ろしですやん」と返す。

 青谷橋で右折し、バス通りから神戸高校に向かう坂道を登って行く。途中集合住宅の敷地の中を通り、尖塔を模したモダーンな神戸高校の校舎を右に見下ろ し、やっと本来の登山道に出た。この先の展望台で小憩する。眼下には神戸の町並み、その先に摩耶埠頭、左手は六甲アイランドが広がって見える。海は時折さ す弱い冬陽に鈍色に光り輝やいている。



 ここで恒例の山行記ジャンケンをした。家を出る前から「きょうは5人で、当たる確率は高いな」という弱気が諸に出て、2戦目であっさり負け。(勝負事は強気が鉄則)奇しくも、昨春のコマクサさんの大文字山山行でも、ひょんなことから山行記を書いたことを思い出した。



 摩耶山は標高698.6m。空海が天上寺に釈迦の生母、摩耶夫人像を安置したことに由来するという。今回の摩耶山のコースは、摩耶ケーブル、ロープウエ イを間に挟む東西の尾根コースで、登りに採ったのが上野道、下りは東側の山寺コースである。これらは青谷道や杣谷道のメジャーな谷コースと違い、中々シブ いコースである。L.の選択眼のほどが伺える。



 先の展望台から約1時間で山門に着いた。北側の屋根は草木が生え、桧皮が抜け落ちて、垂木が丸見えのひどい荒れようだ。そしてここからは、両側に「具足 講」銘の玉垣の並ぶ急傾斜の石段が続いた。年末に降った雪がところどころ消えず残っている。「摩耶大杉へ50m」の看板に導かれて見学に行く。すぐ近くの 看板には枯死とあったが、枝の先には葉もあるように見えた。巨樹、古木にハグをして生命力をいただくのが何年来の習慣である。ええ年をしてハグなんてと笑 い給うなかれ。いい年をしているからこそ、長い風雪に耐えて、凛々しく、雄雄しく立っているその姿に憧れ、敬うのだ。



 元に戻り、最後の急段を登るとだだっぴろい広場に出た。後で判ったことだが、ここは1976年に放火によって焼失した伽藍の跡地で、吹きっさらしの台地 は、折からの吹雪は身に応えた。旧境内から20分で、摩耶山頂の一角、掬星台に出た。ここはロープウエイの頂上駅「ほしのえき」のそばとあって、多くの家 族連れやグループ、若いカップルなどがいる。さすがにここは神戸六甲山系、奈良ではめったにお目にかかれぬ山ガールがいる。山ボーイ?も。広い休憩所はす でに多くの人が食事中で、わずかに空いている東北の角に席を占めた。



 食後、掬星台の看板の前では、メール中のおじさんに、掬星台展望台の前では、今風の若いカップルに頼んで集合写真を撮ってもらった。この展望台は、六甲 山系でも一等のビューポイントで、ネットの投稿サイトでは夜景の美しさを取り上げたものが多い。今はあまりいわなくなったが、「100万ドルの夜景」はこ こからの夜景を指すようだ。



 展望を楽しんだ後、山寺尾根を下りにかかった。こちらのコースも出会う人は少なく、時折樹間から見える神戸の町や海を見下ろしながら、足元の落ち葉や岩 くずに注意しつつ下って行った。やがて長峰墓地を左上方に見る堰堤前に出、美野丘小学校や護国神社を過ぎて、阪急六甲駅前で、解散となった。

 さて、ここからは第2部。阪急六甲駅前から一路南へ、緩やかや坂道を下って行った。JR線、阪神線の高架をくぐり、43号線の跨線橋を渡って、灘酒蔵めぐりへ。

 灘五郷とは、西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5郷をいい、「灘の生一本」として知られた日本一の酒どころである。まずは御影郷の「神戸酒心館」 へ。ここはテーブルに3種のお酒が置かれていて、ドリンクフリーの状態、といっても節度は心得て。そして、白鶴酒造、菊正宗酒造をはしごして、住吉川を東 へ渡れば魚崎郷。櫻正宗記念館「櫻宴」を最後に本日の酒蔵めぐりを終えた。



 程よい酔い心地で、魚崎駅に向かう。皆のザックは濁り酒、酒かす、こぼれ梅、ぷるぷる梅ゼリーなどをお土産に、来た時よりも重くなっている。太陽は西に傾き、六甲山系の山襞も陰影深く見えた。



 魚崎駅では、待つほどもなく梅田行特急が来た。きょうは十日戎の宵戎で、西宮駅からは、早くも西宮神社にお参りを済ませた人たちが、縁起物の福笹を持っ て乗り込んできた。尼崎駅で奈良方面に向かう近鉄電車に乗り換えた。西九条駅ではJRで王寺まで乗るクーさん、yokkoさんが降り、難波駅ではha- minさんと別れた。ここでも今宮戎神社の参拝帰りの多くの人が福笹とともに乗って来た。車中ではそのおめでたい縁起物に囲まれながら、家には7時前に帰 り着いた。

 冬至が過ぎて半月とはいえ、すっかり暗くなった中、充実した今年最初の会山行を終えた。酒蔵めぐりで買って帰った濁り酒で、さっそく一献傾けたのはいうまでもない。


文:ウオンテッド 写真:クー、こまくさ、ha-min、yokko