奈良山友会 山行の記録

大荒れ 氷ノ山 敗退記

2005年10月22日・23日

<メンバー>
L.山の家、くぅる、とろりん、porori

<参考コースタイム>
スキー場 11:05→リフト降場 12:45→三ノ丸休憩所 13:55(テント泊)
三ノ丸休憩所 6:05→スキー場 7:30


週 末の雨はもう何週続いているのだろう。
楽しみにしていた中央アルプス越百岳〜空木岳の縦走は西日本の天気回復が早いようなので、 急遽、氷ノ山に変更になる。

氷ノ山と言えば2年前の11月、思わぬ雪に遭って慌てた記憶があるが、今回も高山では雪の予報で何かハプニングがあるかも…?
でも、まさか、こんな結末になるとはメンバー4人、誰1人予想しなかった。

わかさ氷ノ山スキー場(三ノ丸登山道)〜三ノ丸休憩所
登山口はどんより重い空で冷たい小雨が降っていた。スキー場は閑散として、広い駐車場に1台ポツンと駐車する。
施設のひさしを借りて雨装備で出発する。リ フトの下は急斜面、濡れた笹や枯れ草の切り株などに足をとられて歩きにくい、滑る。

林道別れを左にとると階段に変わる。ガスの中に少し色づいたナナカマドの赤い実がぼんやり見える。今年の秋は遅いようだ。
樹林に入ると足元は色とりどり、形さまざまな落葉が道を埋めているのに秋を感じる。
雨もそれなりに…とは思うけれどやはり晴れていればどんなに鮮やかだろ うとふと思ってしまう。

風がきつくなったようだ。気温も下がって来た。急に違う音がして氷が落ちてきた。

氷雨! 手が冷たい!  樹林を抜ける頃雪になった。稜線に出ると風当たりが一段ときつくなり体感温度がグッと下がる。
雨、雪、風を避けるところがなく誰 もザックを開けて水や行同食を出す人はいない。
三ノ丸休憩所(東屋)の輪郭が見えて来た。急いでテントの設営にかかるが容赦なくもろに雪、風が吹きつけ る。
そのままテントになだれ込むように入ってホッと一息、
強風と雪の中、テントの布2枚を隔てるとこんなに違うものなのだろうか?と改めて思う。

テントの中も火があると暖かく、久しぶりのポパイ鍋を囲んで団欒、外はなお強い風、
雨でテントに吊るしたランタンがミラーボールのようにクルクルまわり続 ける。
火を消すと途端に寒くなりシュラフに入る。

ゴウゴウと風の舞う音、たたきつける雨音、テントが煽られる音、そして前後左右に揺さぶられテントがしなって何度も目が覚める。
と言うより全員殆ど寝てい ないと思う。

突然大きな音でテントが煽られて雨、風が入りこんできた。
強風でフライシートのファスナーが開いてしまった。

フライシートは何度も風で開き、 空気孔からも雨が入ってテントの低い方に水が溜まって来た。
リーダー山の家さんから「とにかく自分の体温を下げないように」と注意がある。

端に寝ていた山の家さんとくぅるさんのマット、シュラフは水の中になっていた。
タオルで水を絞り出して、もう横にはなれないので雨具を着て夜が明けるのを 待つ。
幸い雪ではなく雨のようで到着した時より気温はやや高くなっていた。
気圧も上がっているのを確認したが、前線通過の予報はどこかで修正されたのか前 線は停滞している。
夜明けを待って下山とするが、この強風下テントの撤収が出来るだろうかと不安になる。
空が白み始めるのを待ってテント撤収の手順をリー ダーが指示し、その通り全員が動いてスムーズに撤収出来た。
四隅のザックは最後までおいて2人がテントを押さえ、2人がフライ、フックを外し、全員でポー ル、本体を手早くたたんで終了。
悪条件にもかかわらず短時間に素早く撤収出来たのは、
事前のリーダーの指示、打合わせが徹底し、全員が機敏に動いたことによると思う。

下山も雨は降り続き階段は水が流れて川になっていた。
車に帰り、雨具を脱いで濡れた靴を履き替えてあとは温泉へ直行する。

いつもの楽しい山行記が書けないのは残念ですが、こんな場合もないとは言えず貴重な体験でした。
反省すべき点もありますが、それ以上に学ぶことも多い、忘 れてはいけない荒天のテント山行でした。
(雨、霙、雪、風のため誰もカメラを出すこともなく、画像は1枚もありません)

文:porori