奈良山友会 山行の記録


熊渡から
八経ケ岳・明星ケ岳へ

2005年10月30(日)



<メンバー>
L.円の亡者、山遊亭軟弱、山歩

<コース・コースタイム>
熊渡6:00−林道終点6:30 −川合登山道出合7:45−高橋横手8:35−狼平8:50−10:25八経ケ岳10:40−
弥山辻10:50−10:55明星 ケ岳11:50−弥山辻11:55−高橋横手12:40−川合登山道出合13:20−林道終点14:18−14:45熊渡


この時期が一番紅葉が綺麗だろうと、3人で行者還トンネル西口でない熊渡から登ることにした。
当初8時が出発予定だったが、これでは日没になる可能性があ るとの考えから2時間早めて出発することにした。
私以外の2人はなんと3時半起床だったとかで申し訳ないことをしたが、早起きしても余りある紅葉と展望、 そして天気だった。

熊渡でたまたま単独で和歌山から来ていた友人と出会い、同じコースを取るようなのでご一緒させていただく。
30分の林道歩きこそ同じペースで歩いたもの の、その後急坂になってからの友人のペースが速く、我々3人はついて行くのが辛い。
ブナの黄葉を鑑賞する余裕もなく、弥山川の西の尾根を1時間余り登る。
まもなく栃尾辻から来た道に出るというところで傾斜は一層急となり、降り積もった枯葉の下にある昨夜の雨を含んだ土は滑るのなんの。
下山時ははスリップで ズボンがドロドロになるのを覚悟しないといけないかもしれない。

さて栃尾辻から弥山への道は枯葉と黄葉が作り出す雰囲気が素晴らしい。
下山に使う高橋横手から明星ケ岳の道を右手に分けると、前方には真っ青な青空の下 に立ち枯れの目立つ、修覆山から弥山の稜線が大きく広がっている。
沢音が聞こえてくるようになると、吊橋を渡って狼平だ。大勢の学生風の団体が休憩中で我 々も小休止を取った。

弥山川に降り立ち上流へ向かって進む。いつもより水量が多いのと、今がちょうど岩魚の産卵期と聞くのでなるべく沢を離れて歩くことにする。
池の谷と八 剣谷の二股を右に取ると、それまでの穏やかな沢から一転して大きな岩がゴロゴロする景色となる。
今度は涸れた沢が二股になる箇所に出た。ここは地図で確認 して左へ取る。
倒木が多くなって、まるで沢というより土石流跡を歩くようだ。やはり元来が沢屋さんである先頭を行く友人と、
我々3人との力の差が出だして メンバーから「もっとゆっくり歩いてもらって」の声が私に届く。

振り返れば秋の気配漂う池の谷や八剣谷が作る大きな谷が広がり、その先の狭まったところが狼平だと分かる。
なおもその向こうには綺麗な三角形をした頂仙 岳が望める。
我々以外に登山者などいるはずもなく、4人で秋山を満喫する。一方前方に目を転じてみると、あそこが八経ケ岳。
こっちが明星ケ岳だとピークが はっきり分からず、ただ長い稜線が見えるだけ。もう一度地図で確認し、この沢を離れて左の林に入ることとする。
友人はドンピシャで八経ケ岳に立ちたいらし く、左へ左へと進む。
我々は尾根にある奥駈道にさえ出ればいいので、立ち木が疎らな歩き易い箇所を選んで進むと。
八経ケ岳ピークから数十メートル明星ケ岳よ りの所に出たようだった。



  登山者の声のする方向に進むと、山頂には7〜8人がいて、それぞれが大普賢岳や仏生ケ岳の方へカメラを向けている。
「明星の方から来られたのですか?」の 問いかけに「ええ」とだけ返事して、私たちもその大展望を鑑賞する中に加わる。
秋の一番いい時期に360度の景色を楽しめることに感謝だ。続々と弥山方面 から団体さんが来るので混雑を避けて明星ケ岳へ向かう。

 わずか15分で、八経ケ岳と違って全く登山者のいない明星ケ岳に到着だ。ここでゆっくり車座になって昼食を取った。
暑くも寒くもない、いい陽気のせいも あって展望もない山頂なのに、気が付けば一時間近くも経っていた。

 下山は最近道路が整備されたと聞く弥山辻から高橋横手への道を取った。
広い尾根なのでガスが濃いときは避けたほうがいいが、この道は歩きやすく快適なよ うだ。特に日裏山付近からの展望は申し分ない。
普段見れない方向からの弥山・八経ケ岳・明星ケ岳が作る長いスカイラインは一見の価値があるし、
楊枝の 森・仏生ケ岳・釈迦ケ岳と続いて行く奥駈道の展望も見事だった。
とりわけ七面山は驚くほど近くに見える。槍ノ尾手前にあるあけぼの平の草原まではっきり見 えたほどだ。



 高橋横手からは往路と同じ道を辿る。熊渡への分岐で休憩していると、登山者2人が「そんなところに道があるの?どこに行くの?」と聞く。
「テープはあ る。熊渡だ」と答えてから、滑る道を慎重に進む。
登りと違って下りでは左のカナビキ谷の黄葉を楽しむ余裕もあった。
林道に降り立つと今度はトサカ尾山の紅 葉の見事さに全員が驚く。午後の明るい日差しは一層、その美しさを際立たせているようだった。

文・写真:円の亡者