奈良山友会 山行の記録

伯母谷覗・阿弥陀ケ森

2005年月12日 晴れ



参加者11人

<コース・コースタイム>
上谷登山口9:15−柏木分岐9:45−12:20伯母谷覗13:00−結界門13:25−
13:30阿弥陀ケ森13:40−伯母谷覗14:00−16:10上谷下山口


山岳会仲間会員総勢11人が近鉄吉野線下市口駅に集合し、車3台で川上村へ走った。
上谷集落手前にある神社の前に駐車させていただき、早速登山開始だ。
最初の30分は急な登りだとは伝えてあったが、分かっていてもしんどいのか、荒い息使いが最後尾を歩く私の耳にも聞こえてくる。
おむコロさん とチョモランマさんは持ち前の体力とダブルストックでガリガリと急登をこなす。
それでもさすが20分もすると、あまりの辛さに全員が無口になってしまう。

 ちょうど30分急登をこなし、やっと柏木分岐の尾根に出た。
それにしても今日の天気はどうだろう?昨日の雨はともかく、とても梅雨に入ったとは思えな い。
前方から単独の登山者が「展望が悪いようなので下りてきました」と言ったが、我々が進むにつれて天候が回復してきたようで、
空には青空が見えてきた。 右に植林、左に自然林を見ながら進むとまもなく天竺平と書かれた表示板が現れた。
ここで2回目の小休止をとる。

 最近になって大峰参りは短時間でできるからと、天川村の洞川から行く人がほとんどだが、以前はここが参拝道だったと聞く。
その証拠に山上さんまで何丁と 刻まれた石碑が登山道には規則正しく路端に置かれてあったし、
この天竺平もその広くてフラットな地形から昔、茶屋があったのかもしれない。

 右手登山道が崩れた箇所では展望が開け、間近に勝負塚山が見える。
なんとか姿勢を変えて右に目を転じると、薊岳や白鬚岳そして明神方面から大台ケ原への 稜線も見て取れる。
ここに来て空はすっかり青空に変った。
足元に咲くギンリョウソウを見るのが始めてだというヤマネコさんは珍しいのか携帯でしきりにその 姿を撮っていた。

 大台ケ原を左に見て進むと苔むした巨岩が山肌にたくさん見られ、そのすぐ下を通る道となる。
木漏れ日射す巨岩にはコケとシダが繁茂しているのでグリーン 色が一際鮮やかになり、思わず立ち止まって眺めてしまう。
朽ちていて怖くて渡ることのできない丸太橋を避けて進むと、涸れた沢に大きな岩がごろごろと転 がった道となった。
先を行く人はテープがあるからとそのまままっすぐ進んだが、同じく右の方にもテープがあって、前回もそちらを進んだ私は右に進む。
ここ には途中に遭難碑があるがまっすぐ進んだ人たちはそれを見落としたようだ。

 景色は一転してバイケイソウの葉が一面の、まるで西大台を思わせるようなフラットな地形となった。
ここまでくればもう伯母谷覗はすぐそこだ。
小休止の 後、目の前に見える尾根に向かって進めば前方がスパッと切れ落ちた、足もすくむ岩場である伯母谷覗に到着だ。



 メンバーから驚きと歓声の声が上がる。それもそのはず、ほとんどのメンバーはここに来るが初めてだそうで、
2度目というおむコロさんやナカノオオエさん さえ前回来たときはこんないい天気ではなく、あまり展望が利かなかったらしい。
pororiさんとロザリアさんは切れ落ちた岩の先端に立ち、目の前に広が るダイナミックな大普賢岳に向けてデジカメを構える。
おむコロさんは岩の上にうつ伏せに寝てその谷底を覗き込んでいる。形のいい和佐又山の左にはヒュッテ も見えている。
皆で声を合わせてそちらの方に向けて「ヤッホー」と叫ぶと、こだまが返ってきた。



 昼食の後、膝の調子がイマイチだという、せーちゃんを残して空身で女人結界門まで行くことにする。
本当は大普賢岳をピストンか、和佐又まで縦走したいのだ が時間的に、あるいは車の関係でそれは叶わない。
あちこちで綺麗に咲くシロヤシオの花に歓声をあげながら進むと、わずか25分で結界門に到着だ。

 ここで右後ろに進み阿弥陀ケ森のピークを踏むことにする。
その山頂では展望はまったく無いが山名板だけはあった。
記念撮影だけして一面に咲くシロヤシオ に堪能した後は、伯母谷覗へもどる。
口の悪い仲間からは「残してきたせーちゃん、何か心に思いつめることがあったらどうする?」
「膝が痛いのは口実で、本 当はあそこで一人になりたかったのでは?」
「戻った伯母谷覗で登山靴がきっちりと揃えてあり、本人が居なかったらどうする?」の声が上がる。

するとおむコロさん。木々の間から遠く下の方に伯母谷覗を望める箇所で突然、口に手を当てたかと思うと大声で・・・
「早まるな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
大きなこだまが地獄谷・わさび谷に響き渡った。


文・写真:円の亡者