奈良山友会 山行の記録

雪山登山バス
北八ヶ岳
三ツ岳〜北横岳

2005年1月9日・10日


これを越えてきました。緊張した三ツ岳です。

L.山の家 参加者14人

<コース・コースタイム>
1月9日 天理駅 7:00 − ピラタスロープウェイ 山頂駅〜坪庭〜 14:25 縞枯山荘
1月10日 縞枯山荘 7:30 → 雨池山 8:06 → 三ツ岳 10:05 → 北横岳 11:16 → 山頂駅 12:05


青白い空から「きらきら星」が聞こえます。
それは、砕かれて散りばめられた無数の星たちが真っ白い光を競って空から奏でる変奏曲♪

星も空もすべてが白い星月夜です。八ヶ岳の星たちは雪のように白かった…。
待望の雪との出会い、凍りつく世界、蒼い夜明け、オレンジ色の朝に青い空が流れてあの星たちも、
この地球と言う星も共に青く美しい星であることを、そして永遠にそうあって欲しいと切に感じた瞬間でした。

9日 ピラタスロープウェイ山頂駅〜坪庭〜縞枯山荘

今年の雪山登山バスは北八ヶ岳、岩場の三ツ岳から展望の北横岳です。
バスは定刻 7時に天理駅を出発します。大きなザックとそれ以上に大きい14人の夢を乗せてバスは満杯です。
長い恵那山トンネルを抜けると雪に変わり昼食の諏訪SAでは細かい雪が降りしきり、思いはもう八ヶ岳の雪の中です。

快適にバスは走り、予定よりやや早くピラタス乗場に到着です。ここで気温−14℃、寒い〜〜〜!
バスを降りた時点で服装を整えます。
ロープウェイの約8分の空中散歩はゲレンデに遊ぶスキー、スノボーの若者達のカラフルなウェアーを目で追いつつ、
グングン空に駆け上がり標高2,250mの地点まで運んでくれます。


端整な姿の蓼科山

到着した坪庭も八ヶ岳の主峰も蓼科山ももちろん期待に違わず真っ白です、サラサラです、フワフワです。
坪庭も殆ど雪に埋もれて白一色、高山植物保護のためのロープと雪の深さを示す支柱がなければソウナンします。
雪を踏む感覚と雪の泣く音が私の雪山の始まりを告げて1歩1歩その音を確かめながら、楽しみながら歩きます。

山 頂駅から山荘までは雪のプロムナード、すんなりと早い時間に到着してしまいます(14時25分).。
あまりに早いのでザックを置いて散策しますが、
とたんに どこからか雪が飛んで来て雪合戦とは言えない(雪がさらさらでボールになってくれない)雪かけごっこになります。
雨池峠あたりで雪と遊び、青い空がうれし く、白い雪が楽しく、遠い日の幼い心に還りました。

静かに夕闇がせまってきて山荘ではクラシックなランプが燈されました。
17時30分の夕食前にコタツを囲んで盛り上がってしまいます。
マジシャン=へんなおじさんが前夜頑張って練習したタネも仕掛けもあるマジックをご披露してくれます。
誰かが糸が見えてるよ〜なんて水をさします。
夕食後は静かに就寝です。
白い星が空いっぱいにひしめき合って、輝き、降りしきり、やがて星達が眠りに落ちてオレンジ色の朝を迎えます。

10日 山荘〜雨池峠〜三岳〜北横岳〜坪庭〜山頂駅



すばらしい快晴です。山荘から見える丸い雨池山がモルゲンロートに染まっています。
7時30分、アイゼン以外のフル装備で3班に分かれて出発します。
手袋、オーバーミトンをしていてもだんだん指先の感覚がなくなって小指などは自分の意志では動きません。
(多分−20℃に近い?)少し不安になります。

雨池山への上りは樹林の中です。
振り返ると雨池はすっかり凍って遠くには秩父の山々、中央アルプス、南アルプスも厳しい冬、白く屹然と輝いています。

三ツ岳の登りにさしかかり岩ゴロの道で所々に飲み込まれそうな大穴があって慎重に足を運びます。
岩が大きくて足が届かなかったり、滑ったり、雪に落ち込ん だり、それに加えて強風、猛烈に寒い、冷たい、痛いとちょっと緊張した場面です。
リーダーの指示でアイゼンをつけます。
この寒さと強風にもかかわらず、ア イゼンワークの成果とリーダーからの再三の注意が徹底して皆スムーズに素早く装着出来ました。
岩の山頂三ツ岳からの下りに1ヶ所鎖場がありそこで渋滞にな り、
たまたま最後尾にいた私は立っていられないくらいの風に雪が舞い上がり顔にあたって痛い、痛い。
それを避けるものもなく、ついに目も鼻も痛くなり目を 開けていられない状態、かがんで風に脊を向けて丸くなって待ちます。
ここは鎖が無いと下れない凍りついた狭い岩場、もしその鎖が凍って掴めなかったら降り られないところでした。
トップのSL.軟弱さんのきめ細かな指導の下、全員無事通過します。
これもアイゼンワーク・ザイルワークの登下降の成果です。
この ルートはトレースがなく3班が順番にトップを変わって各班長さんがピッケルで道を確かめたり、
雪を削ったり、またピッケルを使っての上り方も指導して下さ いました。

三ツ岳は岩の重なりの中でとても展望の良いピーク、その分風当たりは強烈ですが、
大きな樹氷を通して見る浅間山は雪に輝き煙さへも真っ白です。
坪庭からの道と合流し、こちらのルートは人も入って行き交う登山者も多く楽になります。

山頂は吹きさらしですが大展望です。双子池への樹氷の道、双子山から将軍平に続く優しい稜線、
そしてド〜ンと大きい蓼科山、魅惑の八ヶ岳、
何時でも、何度 でも、いつまでもいたい山頂ですがゆっくり楽しむには寒すぎます。写真を数枚とってすぐ下山します。

三ツ岳で時間をとった分、下りはややピッチをあげて山頂駅に帰ります。
真冬の世界の全てを持ち帰るには重過ぎるけれど、でもどの場面も私の胸のいくつもあるポケットにいっぱいつめて帰ります。
強風のため1トンの錘をつけたロープウェイで、八ヶ岳見納めです。

新しい年の初めにこんなに美しい雪に出会えて今年はもっともっと良いことがあるような予感です。
始めての雪の八ヶ岳はまたまた私の心をしっかり、予想通り にとりこにしてしまい、もう会いたい八ヶ岳の白い雪、白い星です。


文・写真:porori


八丁平の朝