奈良山友会 山行の記録

熊野古道は 歴史を感じる道

2004年10月16日・17日



L.ヨーチャン 参加者 16人 

<コース・コースタイム>
バス−橿原−阪和道経由−中辺路 3時間半 本宮−十津川経由−橿原 3時間半
徒歩−高原霧の里−近露王子 5時間 小広王子跡−本宮 7時間
距離−二日間で28キロほど


「10月16日から17日の一泊二日で行って来ました。総勢16人の探検隊です。」

昔より人が住み着い て、行き交った歴史を発見し、その証拠を発見した古道と、帰りの車酔いに泣かされた山行でした。

勿論、古道の全部を歩いたわけでは有りません。
日程的に無 理だし、アスファルト道の道歩きも多いようですから土の山道に近い「古道」を歩いています。
宿泊の関係で地理的には目的の本宮に近い川湯で泊まり、翌日バ スで戻る方向で移動し又本宮を目指しました。
それでも二日間で28キロほどの距離を歩いています。12時間で踏破。行きは中辺路を行きます。



最初にバスで乗りつけたのが「高原霧の里休憩所」ここで、うどんを食して出発!
いきなりの坂道ですがきれいな造 りの石畳です。左右は何の変哲も無い山里の平屋作りの民家です。
よく見ると皆軒先に真新しい提灯をつるしています。それには墨痕鮮やかに「旧旅籠○○○」 と書かれています。何軒も続く道筋です。
一軒あたりの大きさは15坪ぐらいの小じんまりした建物で、決して派手ではなく、今現在の生活が営まれ、往時を偲 ばせてくれる物は何も有りません。
唯一道の狭さと、足元の豊かな山水の流れが、水路が今風になっても当時もこうやって流れていたんだな、と思われること。
坂道の最後の旅籠は、今は喫茶店として営業されているようでハイカーが3人程お茶していました。
さぞ美味しいだろうと思われる青空の下の席でした。

道はこれより近露王子まで民家の無い山道に入ります。道標には各「王子」を示す物と、500mおきに続き番号を記した木柱が立っています。
金剛山の登山 道のような道をゆっくり登って行き、各王子跡の説明板をよく読んで5時間ほどすれば国道の「道の駅」に隣接する所に出て、
トイレ休憩の後再び古道にもど り、30分程頑張ると急に目の前に山里の全景が広がります。
(京都の大文字火床より大原の里に降りてくる時の風景に似てる)昔よくあった、自分が生まれ 育ったような親しみの有る風景です。

近露王子跡。熊野川の支流が大きくうねって出来た平地に人が住み着いたそんなところです。
百軒にも満たない山里の中に 「美術館」が一つ。我々はここで待ち合わせのバスに乗って、今夜の宿に行きます。川湯「木の国ホテル」。
立派な4階建てのホテル。ロビーより川を覗くと川原に露天風呂が三つ。混浴とか?今夜の楽しみ。

6時の夕食には速いので早速にお風呂を!屋内風呂の窓より出て、はだしで川原に下りる。
腰にちっちゃく巻いて来たタオルを取って、一気にドボン!!。「気 持ちー良いイイイー」。思わず出る「あーあー極楽ゴクラク」。

6時の食事が始まりホテルの夕食に舌つづみを打って、歓談の後叉ゾロ露天風呂に行き、女性客の入ってくるのを待つ。
しかし、入ってくるのは我らの女性軍 のみ。うーん「残念」しかし、男性軍で大いに湯の中談義が盛り上がりました。
夜空のキレイな話し、ライトアップされた対岸の杉木立、川面に映えるかがり火 の明かり等話題は尽きません。長い時間を過ごしました。

明けて翌朝の朝食をすませ、バスで小広峠に行き、ここより本宮を目指します。
予定時間7時間。18kmぐらい。昨日と同じ各王子で記念撮影、説明板の読 破を繰り返してゆっくり進みます。
道は昨日より、より登山道らしくなって小さな登り降りを繰り返し登っては小さな「○○峠」となって、秋の風が心地よくふ いています。
植林のスギ、桧の樹間は空の青さの割に暗く、それ故枝の少ないところに差し掛かるとなんと明るく晴天の日和を感謝する。
歩を進めて、岩神王子 から湯川王子手前の蛇形神社までの渓流沿いの道はとてもきれいな渓流沿いの道で、
ある参加御夫婦の方は口を揃えて「奥入瀬渓谷の道よりよっぽど素晴らし い」と絶賛でした。
皆同感。(奥入瀬を知らない私もそうだろう?)

蛇形神社の境内で水を補給し、トイレを済まし、湯川王子跡へ。湯川一族発祥の地とか。
登るにつけ、立派な石組みが幾段にも続き、段々畑の如く作られた平地に石組みを割るように根を張って立つ杉の巨木が多数。
それが人が生活を営んだ時代の古 さを物語っています。その中に一本更なる巨木が。
それだけがトウヒか唐松か?平地の反対側にそびえています。大きく二つに分かれ育った巨木。
これだけは当 時でもそこそこ大きな木で伐採を免れ、今に至っているのでは。当時の往来の旅人も見上げ、触ったでしょう。
それを目の前にして何やらぞくぞくしました。

そして、道はなをも登りつずけアスフアルト道に出た所が三越峠。進んで猪鼻王子跡。道はまた林道に戻って最後の急登に入ります。
その名も「たっくん坂」。 そこまでの5時間弱の歩きでそろそろ脚膝にきてる者もいるようでこの名は「膝が、かっくん坂」と替えました。

登り詰めて発心門王子跡で、これより2時間殆どアスフアルト道の村内を歩きます。
当時の道は今でも生活道として使われ、これはこれで歴史の重みを感じる ものです。村内は陽気です。
溢れる山からの湧き水を利用した「おもしろ獅子脅し」で我々を迎えてくれます。
最近の事で山里は猿の被害に難渋しているので しょう。小さな畑には網の壁に網の天井が張り巡らしています。
それでも不足なのか、先ほどの「おもしろ獅子脅し」が音や、滑稽な動きを見せて追い払ってい るのでは?
中には先を急ぐ古道歩きの私達の気持ちを知ってか「40秒待ってください。必ずやります。」
とダンボールの切りはしにマジックの走り書きがし てあって紐でぶら下がっていました。
一度は見に行ってください。笑います。

どんどん進んで残り6kmまで来ました。遥か左手の山並みに果無山脈が連なっています5年程か前の縦走が懐かしい。
水の無い山中のテント泊で同じ水を何 回も使って調理し、「果て無し使う山脈」なんて?
ソーセージを袋ごと炊いた湯でお茶をしたら鉛の味がした。(袋の端の金属の味かも?)今日は一人笑って います。

伏拝王子跡の横はNHK朝の連続ドラマ「ほんまもん」のロケ地でヒロインの実家に使われた家が今も使われています。
家の裏からは熊野川が雄大でした。雲 海のキレイな所かも。残り一時間。
やっと、はらいど王子跡を過ぎ何の変哲も無い住宅街に「古道」は降りて、100m程行き、本宮の裏門より到着。

 

文:山の家 写真:どろんこ