奈良山友会 山行の記録

登山バス
火打山〜妙高山

2003年7月25日〜27日
火打山山頂
火打山山頂

参加者29人

<コース>
7月25日(金)
JR奈良駅(夜行バス・車中泊)

7月26日(土)
笹ヶ峰キャンプ場(朝食)−黒沢−十二曲り−富士見平−高谷池ヒュッテ(昼食)−
天狗の庭−火打山山頂−高谷池ヒュッテ(泊)

7月27日(日)
高谷池ヒュッテ−黒沢池ヒュッテ−大倉乗越−雪渓−妙高山山頂−天狗平−称明滝−麻平−燕温泉(バス)JR奈良駅


奈良山友 会の2003年夏の登山バスは、火打山と妙高山
火打山は花の多いこ とで有名だし、関西からは遠くてなかなか行きにくい山域なので、登山バスに参加して行くことにしました。
参加者は29人(定員30人で1人が直前キャンセ ル)と多く、3班に分けての山行です。

金曜日の夜にJR奈良駅前に集合し、一路火打山山麓の笹ヶ峰キャンプ場を目指します。
アル コールには目のない方が多いとはいえ、明日に備えて今夜はおとなしく早めに就寝。
しかし、夜行バスに慣れない私はほとんど寝ることが出来ず、眠い目のまま 朝5時に笹ヶ峰キャンプ場に到着。
天候は曇り。なんとかもってくれるかな・・・。
標高1300mの早朝のキャンプ場は寒いくらいで、そそくさと朝食と登山準備を済ませ、準備体操をし、記念写真も撮って、各班に分かれていざ出発。
我々は 最後尾のC班です。

湿原に姿を映す火打山
湿原に姿を映す火打山

立 派なゲートが建つ登山口をくぐり、木道が整備された森に入って行きます。シモツケの花が咲いています。
最初はしばらくなだらかな木道が続き、快適そのも の。
ダケカンバが目立つ美しい自然林で、朝露にしっとり濡れた木々はみずみずしく、鳥や虫や花も短い夏の始まりに精一杯生きようとしているようです。
緩い登りが45分くらい続き、やがて沢音が大きくなって、黒沢に着きます。立派な橋がかかっ ています。
水は凍るように冷たく、さわやかな空気が充満しています。こういうのをマイナスイオンと言うのでしょうか。ここで最初の大休憩。

黒沢 美しい高谷池
黒沢
美しい高谷池

黒沢からは打って変わって急な登りが続くようになります。濡れた岩は滑りやすいので、慎重に登って行きます。
睡眠不足もあるのでちょっと苦しい所。やがて「十二曲り」と呼ばれるつづら折れの急坂。
十二どころかいつまでこの登りが続くのか・・・と思います が、次第に高度が上がって周囲の展望が開けるようになります。
この付近で標高は1800m前後。しかし、何だか空模様が怪しい。ガスも出てきて時々視界を 遮るようになってきました。
先行するA班、B班は健脚の方が多いのか、数人が「脱落」してC班に合流してきました。
包容力豊かなC班はみんな仲良く、ゆっくりと登って行きます。

黒沢池への道を分ける富士見平に着く頃には、小雨が降り出し、見通しもますます悪くなっ てきました。
今日の火打山登山は大丈夫かな???と心配しな がら、高谷池を目指します。
小雨はやみませんが、この付近からいろんな花を見かけるようになりました。
大輪のキヌガサソウ、 一面に黄色の花を一杯咲かせているオオバミゾホオズキ、可愛いマイヅルソウ、そして真っ白なサンカヨウ
サンカヨウの花はまさに最高の時期だったようで、その美しさには見とれてしまいました。
雨で道も歩きにくくなる中、それでもお昼前には無事全員高谷池ヒュッテに到着し、体を休めな がらの昼食となりました。

キヌガサソウ サンカヨウ
キヌガサソウ
サンカヨウ

ヒュッテの横の高谷池は、実に美しい池です。高台から見ればまさに絶景とも言うべき美しさで す。
へたなカメラでもこれくらい被写体が良ければ綺麗に写るというものです!
幸い天気も回復し、ついでに元気も快復して(荷が軽いせいもある)、火打山に出発です。
美しい高谷池の周りをまわるように木道を登り、雪渓の残るお花畑に出ます。その素晴らしい眺 めにまずみんな感激。
白いイワイチョウ、やがて現れる赤紫の可愛いハ クサンコザク ラ。群落をなしている箇所では地面が赤紫に染まって見えるほどです。

目を転じれば、湿原の池塘の鏡のような水面に、雪渓の残る火打山の姿が映り、まさに絵のような美しさ。
しばし呆然と立ち尽くしてしまうほどの迫力ある美し さです。なんて綺麗なんだろう・・・。自然の素晴らしさを誰しも感じずにはおられないでしょう。
左に火打山の雪渓を望むその美しい「天狗の庭」を 過ぎ、次第に傾斜がきつくなります。
体力的には苦しい所ですが、北側斜面には一面に雪が残り、冷たい風が吹き抜けます。
遥か遠くには日本海の水面が光り、 佐渡らしき島影も見え、爽快な眺めです。それに何より、周囲のお花畑!
クルマユリ、ミヤマキンバイ、ヨツバシオガマ、アキノキリンソウ、ミヤマキンポウゲ などが咲き乱れるこのお花畑は、登りの苦しさを忘れさせてくれます。さすが花の名山と言われるだけあって、お花畑は並大抵のものではありません。
イワカガ ミ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンチドリ、ウサギギク・・・

最後の苦しい坂を登り、標高2,462mの火打山山頂に到着。
ガスで展望はありませんでした が、これだけの花に出会えれば満足ですね。

山頂近くのお花畑
山頂近くのお花畑

山頂でゆっくり憩い、全員で記念写真を撮ります。見ればみんな実にいい笑顔をしています。
素晴らしい自然に巡り会えた喜びがみなぎる、底抜けに明るい顔で す。
山とこの美しい自然に力をもらったかのように、みんな充実感に溢れているのです。
去りがたい山頂をあとにして下山。再びお花畑の景観に見とれながら、今夜の宿である高谷池ヒュッテに帰り着きました。
なお、ヒュッテでは火打山の四季の変化や花を紹介するビデオを上映してくれます。
もちろん食い入るように見たのでした。
また、このヒュッテは完全予約制 で、一般の小屋とは違いフリーで来ても満室だと泊まれませんから要注意です。

夜になって完璧に晴れてきたようで、たまたま12時過ぎにトイレ(屋外)に立ったとき目にした夜空は、まさに満 天の星
都会では決して見えない天の川が、天空に手に取るようにはっきりと見 え、
じっと見つめているとどんどん星の数が増えてきて、大げさですがこの世のものとは思えない美しさです。
本当の夜空、本来の星空というのは、こんなにも 綺麗なものだったのですね。
寒さも構わずしばし見とれていたら、さっと流れ星が一筋尾を引い て流れました。感激で、星が心なしかにじんで見えたような気がしました。

クルマユリ ハクサンシャクナゲ
クルマユリ
ハクサンシャクナゲ

翌朝は快晴。朝4時に起きて簡単な朝食を摂り、急ぎ5時前には出発。
リーダーが他人の靴を間違えて履いたり、ドジな私はカメラが見つからずに大慌てした り、バタバタの朝でした。
でも朝3時(!)に起きて火打山に登っていった方も多かったようです。
晴れている今日は、昨日は見えなかった北アルプスの山々も見えます。槍ヶ岳もその尖頭をのぞかせています。

高谷池から少し登って再び下り、黒谷池 ヒュッテに出ます。ここで全員揃って、妙高山到 着のターゲットタイムを8時30分と決定。
今日は妙高に登ったあと1時過ぎまでには燕温泉に下山し、そこで温泉に入ってから2時には出発というタイトスケ ジュールなのです。
なお、この黒谷池ヒュッテのトイレは有料(400円)。
何か買えば無料で利用できますが、C班の某氏はせっかく飲み物を400円で買ってトイレを利用した のに、
その飲み物をヒュッテ入り口に置き忘れたとのことで、あとで悔しがることしきり。

ヒュッテからは標高差140mを登って大 倉乗越まで行きますが、そこからまた標高差 100mを下ります。
これは、そのあとの標高差400mの妙高への登りを控えた体には結構きついものがあります。もったいない。。。

斜面をトラバースして、登山口の雪渓で小休止。目の前には妙高山が堂々とした姿を見せ ています。ここからは休むことのない急登の連続です。みんな黙々と登っていきます。
つらいけれども、登頂した時の達成感の素晴らしさを誰もが良く知ってい るのです。

雪渓から約1時間20分、C班も10数分予定時刻には遅れたものの、全員無事妙高山山頂(2,454m) に着きました。

妙高山山頂
妙高山山頂

花は火打山の方が多いのですが、展望は負けず劣らず雄大です。しかし今日は朝の快晴 からだんだん雲が増えてきて、
残念ながら芳しい展望は得 られませんでした。

頂上は少し硫黄の臭いがします。そう、妙高山は立派な火山。周囲を外輪山が囲むカルデラ式の山なのです。

休憩の後、満ち足りた気分で山を降ります。しかし、燕温泉までの下りは、標高差が 1,200mもあるので油断がなりません。
しかも(温泉に入りたいので)時間はない。事故を起こさぬよう慎重に、かつ速く降りないといけません。自然と休憩 が少なく、かつ短くなります。
鎖場を慎重に下り、光善寺池という小さな池の端を通り、天狗平へ。ここからは尾根を離れて、北側の谷へ下ります。
厳しい下りが続き、膝が疲れてきますが、 危険なところはなく、道もはっきりしていて、安心して歩けます。しかしこの下りは長い。

やがて谷に降り立ちます。左手から沢の雪渓が現れた・・・と思ったら実は白い石ころの集 まり。
このあたりも硫黄の噴出があるのか、草さえ生えていま せん。まるで賽の河原のようです。地獄谷という名前が良く似合います。
少し下って、本物の雪渓が現れて、涼しい風が吹き抜けます。気持ちいい。でもここからもまだ下りに1時間はかかるとのこと。

沢沿いに下り、河原に温泉の湧き出す沢を渡り、二分する道を左に取って、麻平に向かいま す。
ほどなく右手に大きな滝が見えます。これが称明滝で、二段に分かれて落ちる水量の多い滝は見 応えがあります。
長い下りはところどころ登り返しもあり、かなり疲れます。
しかし、最後はブナの美しい森の中、さわやかな道となり、右下に人家が見えだして、燕温泉に到 着。ここには無料の露天風呂もあります。
旅館街で待つバスに戻り、着替えを取って温泉に直行。湯船にどっぷりとつかり、3日間の素晴らしい山行を思い起こしました。
また今年も素晴らしい山に出逢 う事が出来ました。山に、自然に感謝です。いつまでも思い出に残ることでしょう。

3日間終始全力投球だったリーダーのMさん、サブリーダーのTさん、本当にありがとうご ざいました。


文・写真:漫歩計  写真:山遊亭軟弱