奈良山友会 山行 の記録

 天狗岳

2003年3月7日夜〜9日


赤岳展望

<メンバー>
L.山遊亭軟弱、山の家、Mt.冨士

<コース>
唐沢鉱泉経由西天狗から天狗岳、黒百合ヒュッテ、渋の湯、渋辰野館


20時 3人は集合地の平端駅で顔をあわし、勢いよく車で出発しました。
目指すは茅野市渋辰野館付近の駐車場。車は順調に飛ばして3時前に到着(5時間弱)。

最近の事なのでコンビニは24時間OK。高速を降りても買い物心配無し。
暗い中テント設営し、ちょっと一杯入れて今朝の天気等を話し就寝する。

6時起床、コンビニ弁当を食べて7時出発。
(冷たい弁当をそれもとても朝食べる物とは思えない濃い内容の物をガツガツと食べるラッセル隊長)。

 今日は八方台経由で唐沢鉱泉を目指し、西天狗岳直下のテント適地に行く予定。
八方台は低いところですが見晴らしのいいところです。良き名前。ここまでに積雪30センチほど。
ここより少し沢に下がって唐沢鉱泉を目指す。5分も歩かないうちに雪に靴が沈み、「これはワカンか?」
振り向くと二人渋い顔!!それには訳が・・・実はこの前の山行でワカンラッセルをイヤッツー程やっていて、
今回ここを選んだのも雪が少なくアイゼン程度で登れると踏んで来たので。
(これは山行報告:上高地より西穂に掲載)
―それでも、靴が沈んで来ると仕方なくワカンを付けて歩き出す。
「まあ!これ位なら良いで。」しかし、これが今回の前兆、予兆でした。
唐沢鉱泉に9時頃着。2時間。予定通りで歩く。まだワカンの苦労知らずでこんなもんか?と、休憩。


南アルプス展望

 さて、出発。2、3分して登山口について皆顔を見合わせて大笑い!!
雪は優に1mは越え、渡る橋の欄干の高さまで達しています。
雪の少なく人の入っている所を選んだはずが!皆の脳裏に先月の西穂ラッセルがよみがえりました。
胸を突く雪にフラフラになった事を。一瞬不安に、苦痛を、疲労が頭をよぎり出た反応は笑いでした。
コースタイム50分の尾根に何時間で到着する事か?


いきなりのラッセルに交替で挑む。ラッセル隊長のMt.Fujiさん本領発揮です。
二人をリードして進む進む。大半のテープが雪の下。まずはコース取りに時間を要し、一息で10歩も進まず。息絶え絶え。
天気は快晴から曇りに変化、それを殆ど同じ場所、同じ斜面で見て取りました。

登り初めて5時間が過ぎ、やっと2,130m付近の「枯尾の峰」の尾根に到着。
なんと、約5倍の時間を費やした登りでした(標高差210m程を)。本日7時間の行程に精根尽きました。
ここでテントを張って泊まりにします。

コースタイム2時間50分のところを7時間を使いました。明日の西天狗がおもいやられます。

今夜のテント場は枯尾の峰の尾根に取り付いた所です。
コース上唯一の適地。高い木々に囲まれ、暗い中です。テント一張りが一杯。
夜低気圧が追加したのか強い風の高鳴りにが上空を過ぎていきます。でもここは木のおかげか、音だけでした。
深い雪の山中で3人だけがテントと云う空間に守られて、横になっているのを想うと不思議です。
  

 
ラッセル風景


 9日、朝暗い中起き出して、朝食を済ます。
今日は西天狗を目指し、サブザックでピストンに切り替える。
(前夜、皆でコースを変更しました。西天狗から天狗岳に抜けるのは無理と判断して、ここよりピストンに)
朝一番のラッセルが昨日と変わらず、相変らず厳しい。
尾根の雪は飛んで薄くなっていると考えたが、ここは夜の強い風さえも通さない尾根でテントで寝るにはいいが、
雪は斜面と同じように残っていてそれが猛ラッセルを強いる。今日の荷物はサブザックで2、3sと軽いのに昨日と変わらない疲労困憊、
尾根がやっと切れて展望が効くようになってくると益々雪が深くなってくる。天気は上々。風は無い。

    西尾根2,416m付近にやっとたどり着いた時には時間3時間を要し(コースタイム45分)、
展望台から見る西天狗があまりにも遠く、高く、険しく、一目で「本日はここまで」と、リーダーが宣言!!皆「了解」誰も異論無し。
とても厳しい山行と言うよりラッセルでした。

時には胸を突く高さで、足が上がらず、ピッケルでかき分けてから膝を入れて雪を潰し、ワカンで踏みこんで行く。
一回やったら休憩。それでも我がラッセル隊長は連続で切り込んで行きます。
先頭が疲れて、次が交替で前に、先頭が最後尾に回って休憩。これを繰り替えしますが、どうしても3人が同じ時間先頭を勤められません。

ラッセル隊長時間延長。他2人脱帽!!
何とか3倍から4倍の時間でたどり着いた、展望台からは赤岳、阿弥陀の雄姿を堪能してテントに戻りました。
 先月(上高地より西穂)に引きつずき又もやラッセル敗退!!


降りは早い2時間かからず、唐沢鉱泉。そして、1時間30分程で渋辰野館。
本日6時間30分(コースタイム3時間余)。誰も入っていない雪山に自分のトレースを付けて行くのは無謀!!
これが渋の湯から黒百合ヒュッテ経由なら、行列のような登山者の付けたトレースを歩いて、必ず天狗岳、西天狗とたどり着いたことでしょう。

リーダーに「西天狗から行ったら面白いかな?人が少なく静かな山行出来るかな?」と一言いったのは私です。
すいません。少なすぎました。誰もいませんでした。静か過ぎました。

余談ですがワカンはヤッパリ素晴らしい。スノーシューはまた違う用途ですね。
斜面を登るのはワカンが向いている。スノーシューは雪原等の平面用ですね。

文:山の家 写真:山遊亭軟弱