奈良山友会 山行の 記録

北アルプス
裏銀座縦走


2001年8月3日(夜)〜7日

三俣蓮華岳と山荘
三俣蓮華と山荘

メンバー4人

 <コースタイム>
  3日 京都23時発夜行バス

  4日 信濃大町5:40 タクシーにて高瀬ダムへ(¥7,840)
     高瀬ダム6:50―2200のピーク9:50―烏帽子小屋11:15 泊

5日 烏帽子小屋4:15―三岳5:40―野口五郎岳7:58―水晶小屋10:40
(水晶岳ピストン 約1時間+昼食後)12:30―鷲羽岳13:45―三俣山荘15:05 泊

  6日 山荘5:40―(三俣蓮華岳ピストン)―山荘6:58
     山荘7:15―黒部源流碑7:37―雲ノ平山荘10:10―薬師沢小屋12:48(昼食)
     13:30―太郎平小屋15:25 泊

  7日 小屋6:15―折立8:28 タクシーで富山へ(¥18,280)

高瀬ダム〜烏帽子小屋

 京都駅は10時を過ぎても灼熱の暑さ!
遅れているバスを待つメンバーは流れる汗に「明日はアルプスだ!」と言い 聞かせて耐えている様子ありあり・・・

 4日、信濃大町に予定より20分遅れて5時20分到着。5時40分、予約しておいたタクシーにて高瀬ダムへ。
初めて見る広大な石積みのダムは、コンクリートのダムもさる事ながら、人間の知恵、力、和を感じさせる迫力あるものでした。
堰堤でタクシーを降りるともう 風が冷たいのです。

ソバナの花
 ソバナの花

トンネルを抜け、吊橋をわたり、ブナ立て尾根の登り口に最後の水場があります。
登り始めると道の両側には涼しげなソバ ナの花、タマガワホトトギス、センジュガンピの清楚な白い花、ヤマホタルブクロなど見られます。
 
 聞きしに勝る急登も何のその(?)、気温が低く冷たい風が吹きぬけて休むとすぐ寒くなる位でラクショウ!
展望が開ける と唐沢岳、餓鬼岳、燕岳など、可愛いお花と美しい山々にホッとします。
ほぼ50分歩いて休憩のペースで思ったよりは楽でした。

 という訳で、烏帽子小屋に到着、宿泊手続後、烏帽子 岳に出発。
しかし徐々にガスが上がってきてニセ烏帽 子では雲行きも怪しくなりポツポツ。そのうち本降りとなりついにカミナリ襲来。
心を残しながら小屋に引き返し、仕方なくビール、お昼寝となりました。
そし てこの雨は夜中もずっと降り続きます。

  烏帽子小屋〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣山荘

 昨日昼寝をして、さらに星も望めないままに寝たの で、全員3時半に起床。
4時15分ヘッドランプをつけて出発し ます。雨はすっかりあがり暗いながらも稜線がはっきり見え、晴れの気配です。

 尾根に上がると夜明け前の風は冷たく、目が慣れると 眼下にはモコモコの巨大な綿あめのような大雲海が広 がり、
それが見る見る濃い曙色に染まり、一点から光が溢れて感動のご来光!
その時まだ西の空には月が晧々と輝き、夜の薬師岳を静かに浮かび上がらせ、夜 の終わりから朝へと移る幻想的なシーンでした。


烏帽子小屋からのご来光 イワキキョウの花
雲海のご来光    イワキキョウ

 三岳の登りにはコマクサ、イワツメクサ、イワキキョ ウなどが朝の光の中でお目覚めです。
三岳から槍ヶ岳は手が届 きそうに近く、ここからは今日一日中槍ヶ岳と対話できるのです。
天空の一点を不動の姿で指す槍ヶ岳はいつ、どこから見ても雄雄しく、背筋が伸びる気がしま す。

槍ヶ岳を望む
槍ヶ岳
 
野口五郎岳からは今日のコース、やや黒色の水晶岳、鷲が羽を広げた様の鷲羽岳が誘うようです。
水晶岳をピストンし、裏 銀座一の展望と言われる鷲羽岳へとむかいます。
快晴の空に槍ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳、笠ヶ岳、水晶岳と100名山がズラリ!
三俣蓮華岳に優しく抱かれ ている山荘の赤い屋根がすぐ真下に見え、
今日のロングコースも無事に予定通り終わりそうで、ゆっくり360°の展望を心ゆくまで楽しみます。

 ザレ場の急坂を下って三俣山荘に到着。
この下りではホソバイワツメクサ、ヨツバシオガマ、イブキジャコウソウ、 ミヤマリンドウ、
それにこのコースでは、ずっと深い澄んだ紫のイワキキョウがきれいでした。
この山荘の展望レストランで月の出を待ち、月の出を見ながら飲 んだグッドナイトコーヒーは何をもってしても換え難い最高の贅沢でした。

  三俣山荘〜三俣蓮華岳〜雲ノ平〜太郎平小屋

 早朝から三俣蓮華岳をピストン。ここから見る笠ヶ岳 は西穂から見るよりややスリムでかわいい笠です。
眼前の対照 的に堂々とかまえる黒部五郎岳は、来年の課題です。今朝も一段と凛々しい雄姿の槍ヶ岳には少し雲がかかっています。

 三俣蓮華から見た笠ヶ岳 
三俣蓮華から見た笠ヶ岳

 山荘からクルマユリとトリカブト咲き乱れる黒部源流 を下り、笹の輝く祖父岳を巻いて雪の残る日本庭園です。
ずっ と一緒だった槍ヶ岳とはこの辺りでお別れ、かわって水晶岳を真正面に見ながら雲ノ平へ。

 ここから雲ノ平は高原のお散歩、ずっと木道が続きま すが、残念なことに夏のお花は終わりの様です。
木道 が終わると景色が一転し苔むした樹林の急な下り、濡れた石と木の根っこは非常にすべり易く要注意です。
このキケンな下りは一時間以上も続き転んだ人 も・・・。下りきって清流を渡るとこじんまりした薬師沢小屋です。
一応予約をしていましたが時間も早いので小屋に断りを入れ、次の太郎平小屋まで足を伸ば します。

  太郎平小屋〜折立

 夜半からの雨は朝になっても止まず、雨装備で下山し ます。
太郎平はしっとり雨にけむりアキノキリンソウの群生す る斜面には、ニッコウキスゲがしずかに雨に打たれています。
霧に優しく包まれる雨の高原も、それなりに私は好きです。

 折立までずっと雨は止まず、幸い予約したタクシーが 時間より早く来て待っていてくれたので、
すぐに乗り 込み、途中有峰の手前の亀谷温泉で入浴し(タクシーは入浴時間待ちをサービスしてくれます)富山へ。
運転手さんご推薦の富山駅近くの美味しい和食の店(五 万石)で乾杯! 

 この夏の思い出多い、感動の、素晴らしい、裏銀座縦 走でした。


文・写真:山遊亭ぽろり